Ciudad de Rodrigoの写真

城壁とパラドール(国営ホテル)

U様 W様
いかがお過ごしでしょうか?
先日、久しぶりに近況報告として、こちらの写真をお送りしようと思い、送ったつもりが、どうやら空のメールとなっていたのではないかということが分かりました。もし、そうした空のメールが行っていたとしたら、お許し下さい。
 最近は、漸く合唱の方も声が出るようになり、ミサの時など、 偶に制服の要らない教会の2階にあるような合唱とオルガンのボックスに入るときなど、歌える曲だけ後ろの方で歌ったりするようになりました。この4月は、法王関連の葬式や新任祝いなどのミサなど臨時が入って、ミサの仕事が多く、ボランティア活動として行っているサラマンカのカテドラルやポンティフィシア大学の教会での合唱が多くて、宗教曲漬けの一月でした。おかげで、カトリックの文化の一部に参加させてもらって、人々の内的生活を「観察」し、かつ「理解」させてもらうよい経験をさせてもらいました。プロテスタント文化との違いも、歌を通して経験させてもらいました。勿論、理解できたなどとは申しません。異教徒としての最低限の礼儀を護りつつ、かつ、敬意を示しつつ参加させてもらっています。
今年1年は、観光の目玉造りと言っても良いかと思いますが、「歴史都市サラマンカ市Plaza mayor中央広場の?周年記念」事業が行われていまして、広場で様々な催しが、市・県・州の企業や、むしろ主として各種公共的制度、市民団体等のパーフォマンスを中心におこなわれています。こうした催しの一環として、「カンタータ・広場2005」という委託曲の新曲の披露コンサートがあるようで、近く行われるだろうと思われるこのコンサートのための練習を、今現在は集中しています。私にとってはかなり難しいリズムの5拍子の現代曲で、多分本番はオーケストラの伴奏になるのではないかという感じの伴奏に合わせるのに汗をかいています。Uさんはご存じの筈ですが、私はもともとクラシックの音楽が好きで、デタラメながら、声楽曲なども口ずさんではいたのですが、ここで本当によい趣味を見つけさせてもらいました。
 しかし、相変わらず会話は諦めている状態を抜け出せませんが、最近漸く、現地の生活にとけ込んできたとみえて、いろいろな友達につれられて、週末日帰りの散歩に行くようになりました。新聞読みとhatenaの日記書きはそれだけお留守になっています。近況報告として、そうした最近の写真を送りますので、楽しんでいただければ幸いです。
スペインは、広い土地の割に少ない人口で、地図に載っている村の集落でも、人口200−500人程度が多く、しかも各集落の間の距離が遠くて、人口1万といえば、県内でも比較的大きな都市的集落という感じです。従って交通の便は旅行者にとっては大変悪く、車無しには暮らせないという感じです。ところがそうした地域の集落こそ、ある意味で、旧いスペインのスペインらしさがあるところで、外国人旅行者にはちょっと見に行けないところです。丁度岡山の山間部の村に行く外国人旅行者は稀であるのと同じですが、そこに残っている伝統的日本の生活様式に感動するだろうというのと同じでしょうか。最近、こうして幾つかの小都市(中世の昔からの、城壁で完全に囲まれた旧都市集落を持つ規模の村で、最近の都市化ブームで、その外に急速に住宅や企業が立地して出来た小都市。城壁を1周しても、30分かからないという規模です。)の一つ、Ciudad de Rodrigoというところに行きましたので、その写真をお便り代わりにお送りいたします。サラマンカ県の中の3つの比較的大きな歴史遺跡の残っている都市の一つです。下の写真は城壁の外側を見たものです。丘の上にひときわ聳えてこの城壁に取り囲まれて集落がありました。
     
     
上の写真は、プラサ・マイヨール 中央広場です。この都市の最も中心にあり、最も賑やかな場所です。すべての道路は、非常に狭く、城壁にそった曲線状の横の道路と、この広場に向かって集中する道とクロスして一見複雑ですが、迷っても必ずこの広場に出てきます。もう一つ、カテドラルを見ると、中世からの歴史的都市の主要な遺跡を見たことになるでしょう。下の写真は城門から都市に入る入り口の一つとカテドラルです。
     
観光案内書には、町の中を闘牛が走り抜けるお祭りで有名とあるはずです。昨年でしたか、この牛の前を逃げる祭りに参加した日本の学生が大怪我をいたしました。参加する市民は、このためのトレーニングを日常的に行っているのですが、毎年アメリカの観光留学生が怪我をする、と誰かが笑っていました。この祭りの日以外は、静かな田舎の典型的な小さな都市集落だといえるのではないでしょうか。
では、また、近況などお便りいただければ幸いです。
(ここでは最新の画像としておみせしているのは、日本の方が好んでよく行かれるパラドールを裏から見た写真です。これが昔の領主の館、城だったところです。写真の中の赤い花の野草は、アマポーラです。遠景は新都市化街区です。)