スペインのセマナ・サンタ。その行列

 さて、今週からSalamancaもSemana Santaの行進が始まりました。これはスペイン・カトリックの信者達の最大の祭りの一つです。その写真を皆様にお見せいたしましょう。今日は、聖週間Semana Santaの行進の第一日目で、子ども達の行進でした。ローマのバチカンでも、今日は大切な日で、世界からのカトリックの高い地位の司祭が集まってミサをとりおこなっていたことは、テレビでも放送がありました。(日本では、バチカンからの中継放送はなくなったと聞いていますので、ご覧にはなれなかったことでしょう。)
(行列出発前のミサ) 
 (出発に先立ち,香を焚く僧)
スペインでは各地で、趣旨は同じですが、いろいろな工夫を凝らした行列行進をしているようで、比較的華やかな異教徒にも受けそうな大都市の行列もあり、伝統的な田舎の町の地味な,暗い暗い行列もあるようです。Salamancaでも、大人の行列になりますと、苦難に満ちたキリスト受難の山車と涙を流すマリアの山車が、20人ほどの人の肩に背負われて、粛々と長い時間ゆっくりと歩いて、旧市内を一巡します。写真は、今日の子どもの行進です。

様々な色の僧服をまとったたくさんの学区の子ども達の行列が続きます。
音楽隊がチャルメラのように聞こえる管楽器と小太鼓の独特の悲しいメロディを演奏しながらゆっくりと行列の先頭をきり、子ども達の長い長い行列がゆっくりと列を作って歩きます。衣装は市内にあるいろいろな教会の司祭や修道院、多分いろいろな教派のものを着ているのではないかと想像します。親たちはその行列にいる子どもに列外から付き添い、付いて歩いているように思えました。行列は一巡するまで2時間以上かかるでしょうから、黙って粛々と歩くのは、子ども達にとっても難行であろうかと思います。


カトリックの方は先刻ご承知ですが、この趣旨については、セマナ・サンタのための宗教曲をご紹介する中で、お話ししたいと思います。非カトリックで、ヒューマニズムを信奉するものである私にとっては、子どもでも知っているこの国の祭りの常識の僅かな一端を知るだけでも、大変時間がかかりました。言語同様、ある異文化をしることの難しさ、しかし、そこに生きる人々の身につけているものの底の深さには、驚く他ありません。