サラマンカ 伝統料理のレシピ集

 私は現在スペインサラマンカで定年後の生活を送っています。スペイン語が話せないと、せっかくの外国生活も、充分思ったような楽しさを味わうことが出来ません。ところが、その方の性質にもよりますが、自分でいろいろなところに大胆に入っていかないと、下手なスペイン語の相手をしてくれる人はなかなか見つからない、という外国人共通の悩みがあります。というわけで、たまたまの機会を得て、市の料理講座に参加させてもらうことになったわけでした。現在参加してから、毎週1回ですが、すでに一月経ちました。幸いに、親切なクラス仲間が徐々に出来て、スペイン語の聞き取れない私のために、パソコンで講義内容を記録してくれ、私はそれを読んで復習すると言うことが出来るようになってきました。そうした手助けをしていただくのは、結構大変な忍耐を要するでしょうから、私も写真を撮って、そのノートと共に、レシピを編集してお返ししていくことにしました。そうなると、自分だけで秘蔵しておくのも残念なことになり、講師のマリア・ヘルナンダさんの了解を得て、そのノートを写真と共に、この場に公開することにしました。この市民文化講座には、料理の他に陶芸、刺繍、ダンス、民謡など、どこの文化講座でもお馴染みの科目が並んでいるのですが、日本の市民講座と異なる点は、地域の伝統文化にこだわった文化講座を出していることです。サラマンカ伝統文化センターという機関があって、料理もサラマンカ県という小さな地域単位の伝統料理文化を収集して公開講座を出しているように思います。従って、ここで教えてくれる料理はすべてサラマンカ料理です。Gastronomiaという言葉がありますが、辞書を見ますと、「1{ある地方独特の)料理法、2 美食学」とあります。講座名は、そのGastronomiaです。従いまして、講師のマリア・へルナンダさんの研究成果もこのお話にはかなり混ざっていると思われ、筆記録ながら、勝手に翻訳して公開するわけにも行きませんし、お話ししたところ、快く了解していただきましたので、ここに筆記録をご紹介することにいたしました。私自身も料理体験して、体験したことも含めてご紹介できれば、と願っています。この講座は、私にとって幸いなことには、毎回必ず試食させてもらえますので、少なくも味だけは少量ながら体験した上でお話しできます。

 それでは、講師のマリアフェさんをご紹介します。白い割烹着を着た、大変おいしそうな匂いとふくよかさをもった、明るいお人柄の方です。