スペイン民謡 炭焼きの歌

スペイン民謡「炭焼きの歌」

T様
 先日実は日本に帰りましたが、すぐ居なくなることもあって、合唱の皆様のところに行きそびれてしまいました。帰ってくると云いながら、また1年当地にいることになったからです。今年の発表会までもうすぐですね。お忙しくしておられることでしょう。スペインにいながら、何も知らないで帰るのも何ですから、伝統民謡の市民講座に出てみました。その中から、先ず今日は一つだけご紹介いたしましょう。
*スペイン・サラマンカ民謡 「炭焼きの歌」
スペインの人は非常に村意識が強く、「おらが村」抜きにはすべてが消えてしまうのではないか、と思うほどです。さすがに、日本の戦後と同じように、「民主化」以後の社会変動は大きく急速で、一定の変化があったようですが、フランコ色を抜いていく方向の変化であっても、スペインが「吾がプエブロ=村」である意識には、大きな変化はないように思えます。民謡の歌や楽器を見るにつけ、例えば、カスタネットを買いに行くと、「サラマンカのかアンダルシアのか、または----か?」と聞かれて「サラマンカの」としか答えられない雰囲気です。比べて比較的高価でしたが、大きな良い響きでしたので満足いたしました。歌そのものになりますと、一つ一つが全くローカルな人たちによって親しまれ、歌われ続けた地名入りのものが多いように思います。紹介いたしますのは「炭焼きの歌」とでも云うべき民謡です。(何故か、ブラウザーを変えたら、スペイン語に直しても、アクセント記号がはいらなくなりました。以下記号抜きですが、何故でしょう。1難去って、また1難? )

炭焼きの歌    El Carbonero

角の辺りで 炭焼きが   El Carbonero, por las esquina      

「炭よ−、炭、樫の炭いらんか――」 va pregonando, carbon de encina.
と売っている。                            

「樫の炭――、楢の粉炭―― Carbon de encina, cisco de roble
男なんかより、信用できるよ−」 la confianza no esta en los hombres

「炭はいらんかー、男や女よりも− No esta en los hombres ni en las mujeres
ローレルのこの丸太炭は信用できるよー」que esta en el tronco de los laurelles.

「丸太炭より、木の枝炭よりも No esta en el tronco, ni esta en la rama
女の乳房、山の女のハートを信じたが、que esta en el pecho, de una serrana.

さえない山の女は おれから De una serrana descolorida
心を奪っていったよ、人生も me roba el alma, tambien la vida.

人生も、俺の心も Tambien la vida y el corazon,
山の女が               una serrana me lo robo.
奪っていってしまったよー。」   

なかなか悲しい良い歌じゃないですか。ゆっくりと、写真の楽譜で歌ってみてください