スペイン・サラマンカの合唱団フランシスコ・サリナス

Sbunaka2005-03-21

サラマンカの合唱団Fransico Salinas
暫く、体調不良と言うこともあって、日記を公開する事が出来ませんでした。しかし、季節も漸く昨週辺りから急に暖かくなって、今年は異常に寒かったという冬も終わり、テレビの天気予報のご婦人も「春になりました」と宣言していました。これで私も目が覚めたらしく、常に風邪気味で高音が出なかった歌の練習も、どうやら再び声を出してみんなと歌えそうな気分になりました。私はテノールのパートをうたっているのですが、声域が狭く、ヘンデルのハレルヤのように、高音のラの音をやたらと多く出さなければならない歌には無理があって、30分ほどで止めておかないと、声が裏返って他人の声になった危険を感じます。しかし、春になって万年風邪状態から少し脱することが出来て、時たまソの音が要求されるだけで、どうやら通常のファまでで大体が収まる教会音楽でしたら、マーマー苦しまずにまた音が出るようになりました。これからまた楽しみです。そうです、私はいつか述べましたように、今、市民の皆さんに加えてもらって合唱団の活動をはじめました。テストを受けて練習に加えてもらうことが出来ましたが、最初に「1年は演奏に参加しなくてもかまいません」と、やんわりと、演奏会参加を断られましたので、緊張しなくてすみます。今週で、もう2ヶ月にはなると思うのですが、その間に、合唱団は沢山の演奏をいたしましたが、なかでも合唱団固有の2つのコンサートを行い、そのためのプログラムの練習をいたしました。最初はスペインのマドリガルと各国フォルクローレを組み合わせて24曲余りの練習をいたしました。この演奏会の曲はCDに録音したと言うことですが、まだ発売されていません。次に、Semana Santaのための演奏会の宗教音楽を18曲用意する練習を行ってきました。その間、ポルトガルの合唱団との交流、セマナ・サンタの月に入って、ミサをはじめとして、いろいろな催しのための宗教曲を歌っています。私ども新人には聴いたことのない歌を、演奏会用制服をもっているベテラン達がうたっています。彼らの持つ持ち歌は、楽譜のファイルからすると、100曲はくだらないことでしょう。羨ましい限りです。明日21日はいよいよ、そのコンサートが、旧大聖堂カテドラル・ヴィエハで夜の8時から行われる予定です。
これから、時々、この合唱団の活動に関連して、市民生活の経験をお知らせしましょう。この合唱団の名前は、Francisco Salinasといいます。合唱団が名前を戴いたフランシスコ・サリナスさんは、サラマンカ大学の先生をしていた音楽家だそうで、写真は、そのSalinasさんの銅像と、ポンティフィシア大学(その真後ろの建物)で、私達の練習場と、主たる演奏会場となる教会がこの中にあります。この辺りの大きな歴史的な建造物はすべて中世の昔からのサラマンカ大学の建物ですが、現在、それはサラマンカ大学とポンティフィシア大学の2つになっています。右後ろは、有名な「貝の家」カサ・デ・コンチャスで、観光客が必ず写真を撮るところですが、内部は市民図書館となっています。若者が多いこの大学都市で、この図書館は毎日両大学の学生以外の利用者で満員です。内部は大変広い立派な図書館です。
合唱団は週2回のパート練習と、2回の混声4部の全体練習を行っています。練習時間は労働曜日の夜8時からで、大体9.30には遅くも終わるという感じです。団員は平均年齢が比較的高く、合唱団の経験の長い人たちが中心です。この合唱団の創設者であり、現在でも我々を指揮・指導している先生は、若いポンティフィシャの学生を中心にした合唱団をも指導していて、こちらの元気な方を引き連れて、毎年外国演奏を行い、日本にも名古屋、岐阜辺りを中心に招かれていったことがあるそうです。